さて、色々と検証してもなかなか結論が出せなかったりして、また記事が遅くなってしまうのも良くないですね。
と、言うことで一旦今回でBetaFlight 4.2の設定を終わらせてしまいたいと思います。
前回までの記事は下記
- BetaFlight 4.2 <1> Configurationタブ
- BetaFlight 4.2 <2> Power & Battery・Receiver・Mode
- BetaFlight 4.2 <3> PID Tuningタブ前編
また、今回参考にしているチューニングノートは下記のURLから見られます。
https://github.com/betaflight/betaflight/wiki/4.2-Tuning-Notes
今回は新しく追加されたレートモードについて見て行きたいと思います。
新しく追加されたレートモードはQUICKとACTUAL。さらに、KISS まで選べる様になりましたが、試してみた感じあまりよくわかりませんでした。何か計算方法がKISSと同じなのだと思うのですが、実行しているファームウェアがBetaflightなので根本的にKISSとは違い、BetaflightはBetaflightとして楽しむのが良いのではないかと思います。
ACTUALは設定する数値から全て新しく、今までの設定値からの移行はちょっと分かりづらいです。下記のオンライン計算機で計算できるそうなのですが、今回は今までとあまり変わらない形で設定できるQUICKを試してみました。
https://www.desmos.com/calculator/r5pkxlxhtb
QUICKの設定方法として、まずRC Rateは今までBetaflightで設定していたままの数値で使い始める事ができます。
RC Rateを増やして行けば、どんどんグラフに傾斜がついて、スティックを動かす量に対して動作の指示の大きさもどんどん増えていく形のグラフになります。このRateは全体的なスティックの感触を設定する区画です。
上記の画像はRC Rateを仮に1にした場合のグラフです。
仮に、RC Rateを2にすると、上記画像では先ほどのグラフよりもかなり坂が急になっているのがわかるかと思います。この数値だとかなり直線的に、スティックを切った量がそのまま機体への指示になる感じです。
そんなもの直線のグラフで良いのではないかと考える方がいるかも知れませんが、そう言うわけでは決してなく、特にフリースタイルの場合センター付近の坂が急だと動きの少ない場面の微調整で映像がガクガクと落ち着かない感じになってしまったり、単純に操作しづらかったりします。
ならば全体としてなるべくなだらかで直線的な坂にすれば良いという話になるのですが、それだとフリップする時などに最大まで切っても回転が遅すぎて、それもまた都合が悪いと。
簡単に言えばそう言う理由で、センター付近のスティック感度とエンド付近の感度を変えて、自分に都合の良い形で設定しましょうというのがRatesの機能です。
次にMax Rateの値ですが、これは今まで使っていたBetaflightの設定から移行する場合は表示されていたdeg/sをそのまま入力すれば同じ感じになります。今回のQUICK RatesではMax Rateとして最大値を入力する形になりました。
試しに、Max Ratesを500deg/sまで下げると、グラフの両端が先ほどよりも水平の線に近づいており、最大までスロットルを切った状態での入力値が下がっているのがわかりますね。
最後にMax Rateを800で、Expoを0から1へ変更してみたいと思います。
Expoに1を入力すると、センター付近は坂がなだらかになっているのですが、最大値は変わらず800のままです。
凄くわかりやすいですね。以前までは入力した数値の組み合わせで最終的に最大のdeg/sが計算される仕組みだったので、何か数値を変更すると全体的に変わってしまうスタイルでした。
QUICK RatesではMax Rate、RC Rate、Expoをそれぞれ分けて考える事ができるので、Max Ratesなど既に気に入った数値があるならそれを入力してあげればそこは固定され、他を飛ばしながら微調整して追い込む事も可能です。
やってみた感じ、既にBetaFlightを使用している方はMax RateとRC Rateを今まで使用していた値に設定し、Expoだけを少し変更してみると良いかと思います。
機体の構成が変わるとかなり感じが変わったりすると思うのですが、そういう場合の調整もこれなら簡単です。
さて、前回PIDの方でPD Balanceを1.1にしていたのですが、さらに調整して1まで戻しました。
Filterの方は、D Term Filter Multipllerを1.2に変更。1.3でも良さそうだったのですが、結構モーターが熱を持っていたので、少し戻した形です。
さらに、ConfigurationタブでAccelerometerとBarometerをONにしてAccelerometerをキャリブレーションしてみたのですが、これをやってから突然調子が悪くなりました。
どのように調子が悪いかというと、離陸直後の動きがぎこちなく、半回転でもフリップしようものならグルグル3回転くらい回ってしまう状況。飛び始めて少し経つと徐々に良くなっていくのですが、この辺りのテストにはもう少し時間をとった方が良さそうです。
何か決定的な事がわかったら追記したいと思いますが、現状OFFのままでも良いかなと思ってしまっているので、書くとしてもまた後日別の記事でということになりそうですね。
特に使用しないなら、AccelerometerとBarometerはOFFにしておいた方が安定しているようです。
そして、このブログを書き始めた時は4.2.0 RC1だったのに既にRC4が出ているという状況です。これでアップデートして、またモタモタしていると色々試しているうちに新しいのが出てしまいそうですが、とりあえずアップデートしてみようと思っています。
今回Slatra 5"とHolybro Kakute F7 mini & Tekko32 F3 4in1 45A mini ESC Stackの組み合わせで色々試してみたのですが、BetaflightならFCもESCも色々選べて予算に合わせて検討できますし、ここまで本格的に飛ぶなら凄く良いなと思いました。
パーツに変更がなくても、ちょっとした設定を試して、それがうまくハマれば凄く快適になったりします。
KISSと比較すると、やっぱりKISSの方が良いなと個人的には思ってしまうのですが、ここまで来るともう好みの問題、もしくは自分の設定スキルが不足しているだけなのではないか、と考えさせられてしまいます。
KISSの方がしっかり奥行きがあって、Betaflightの方があっさりしていると言うのが今回感じた印象なのですが、まだまだ触れるところはありそうなので、100%出しきれていないだけかも知れません。
設定一つで結構とんでもない事になってしまう不安定さは、まだまだBetaflightの方があると思うのですが、KISSでも数値がセッティングに全然合っていないと、ギクシャクするので、その辺りは程度の問題かなと思います。
最近のBLheli_32のESCなら6S対応のものが多いので、4Sから6Sへの変更も設定だけで対応できたりするのも面白く、Betaflightの守備範囲は非常に広いですね。
また何か気づいたら追記したいと思いますが、これでBetaFlight 4.2の設定記事を終わりたいと思います。