Armattan Badger 5" Kit (バンドル) <3>

そんなにパーツ点数の多い構成ではないので、混乱するところや難しいところはなかったのでは無いかと思うのですが、今回で組み立て作業は完了になります。

いよいよフライトコントローラー(FC)ですね。
ワイヤーなど付属品がありますが、今回はESCに付属しているワイヤーを使用してESCと接続するため、今回は使用しません。

FCはドローンの頭脳と言われる事がよくありますが、姿勢制御の計算をこの基板上で行っているので、イメージとしては、かなり的を得た例えなのかなと思います。

ジャイロセンサーが得た情報から現在の姿勢を把握しつつ、受信機から操縦者の要望を聞いて、自分のとるべき姿勢や状態を判断し、その為に必要なモーターの回転をESCにオーダーする、というのが恐らくFCの基本的な機能かなと思います。

現在はそれに加えてFPVカメラとVTXの間にFCを配線してビデオ信号にOSD情報を付加したり、FPVカメラ・VTX・受信機、さらに搭載する場合はブザーやGPS、LEDなどに電源を供給し、動作させる為の信号を発するなど。便利に使えるように様々な機能が集約されている場合も多いです。

「場合が多い」というのは、もちろん全てがそうではないという事です。例えばFLYDUINO KISS FC V2にはOSD機能やVTXなどへの5V給電機能が備わっていないので、別でPDBやOSDのパーツを構成したりといった工夫が必要な場合があります。

基板に搭載される機能の数で言えばBetaflight用にリリースされるFC基板の方がFLYDUINO KISS FC V2よりも優れているという言い方もあるかも知れません。ただ、KISSの使い心地は恐らくBetaflightでは再現できないので、KISSが好きな方はそれでもKISSを使うという事になります。ここから先は好みの問題になってきますね。

とにかく、FCは考えて指示を出すだけでなく、現在に置いては一部実際に何かを動かしたりもする場合があるという形になっており、Betaflightなどを想定して発売されている今回セレクトしたFCも例に漏れず多機能となっています。

なんとなく全体像を把握して頂いたところで、結論としては、これまで準備して来た様々なパーツを全て(と言っても、ESCと接続されているモーター以外)このFCに接続していくという事です。

バンドルにはHolybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerを選択しました。このフライトコントローラーの最大の特徴は、ジャイロセンサーが防振フォームの上に取り付けられていて、FC自体をハードマウントしてもジャイロセンサーが振動に晒されないという点ですね。
また、裏面にマイクロSDカードのスロットがあり、これはログデータをマイクロSDカードに保存する為のものです。

今回は最終的に記事の中でもログを多少参照したりしたいと思うのですが、Betaflightやその他のファームウェアでも機体のコンディションをより深く把握するためにログが活用出来ると良いなぁと思います。

FCにログを記録する為の記録容量が搭載されているモデルも多いのですが、このHolybro Kakute F7 V1.5はSDカードに沢山ログが取れる事と、SDをカードリーダーなどでPCと接続すればログをコピーできるので、コピーが非常に迅速に行えて便利です。

基本的なことなのですが、FCにも裏表と方向があり、FCのほとんどは表面のどこかに矢印が記載されています。矢印の記載のある面が表で、矢印の矛先の方が前方、つまりFPVカメラなどがあり、基本的に前進する方向になります。

正しく取り付けられない状況に陥った経験がないので、自分は試していないのですが、どうしても都合が悪く正しく取り付けられない場合は、設定で変更する事もできるようです。

配線など目に見える部分はメンテナンス時に気付きやすく、そんなに気にならなかったりもするのですが、設定の部分で機体毎に状況がバラバラだったりすると非常に把握が大変になってしまうので、可能ならば全て正しい向きで取り付けるのが楽かなと思います。

とりあえずESCとコネクターで接続しましょう。今回はHolybroの製品同士なので何も考えずに接続してもある程度安心感があるのですが、同じメーカー同士でもリリース時期が異なる場合など、ピン配列が異なっている可能性も考えられるので、念の為必ずコネクターのピン配列は確認しましょう。

上記写真ではすでにワイヤーをねじってしまっているのでわかりませんが、このワイヤーは両端で接続されるピンが入れ替わったりしていないワイヤーでした。

上記は当店商品ページにも掲載されているHolybro Tekko32 F3 4in1 ESC (45A)の画像ですが、コネクターのピン配列は上記の通り。コネクターの両端でワイヤーの配列が入れ替わっていないと言うことは、FCのピン配列も上記ESCを同じ並びで必要なものが接続できれば良いという訳です。

こちらがFCですが、コネクター部分にM4〜M1-I-G-R7-B+と表記があります。M4〜M1(モーターM4、M3、M2、M1)、I(特にマニュアルに表記なし)、G、R7(今回の場合テレメトリーを入力します)、B+(電源入力)の配列になっているため、Holybro Tekko32 F3 4in1 ESC (45A)を付属のワイヤーで接続しても配列は大丈夫のようです。

特に注意したいのはB+の部分で、これは電源を供給するラインなのですが、ESCからの給電が変なところに接続され電気が流れてしまうとそこに関連する部分が壊れてしまいます。

メーカーの違うESCとFCを接続する場合は一本一本正しく接続されているか確認する必要があるのですが、同じメーカー同士でもB+のラインくらいは必ず正しく接続されている事を確認しておきましょう。

あとは、あらかじめ準備しておいた受信機、FPVカメラ、VTXを上記写真のように配線しました。といっても、写真ではどこが何に繋がっているか判断できませんので、下記の配線図をご確認ください。

また、このタイミングで電源のXT60ピッグテールワイヤーをベースプレートにタイラップで固定しました。電源のXT60ピッグテールワイヤーは必ず途中どこかで固定するのがおすすめです。そのままだとクラッシュでバッテリーが大きく動いた際にESCとハンダ付けされている部分が引っ張られる事になるので、トラブルの元になりますし、片方が切れたり外れたりしてどこかに接触し、ショートしたら非常に危険です。

ごちゃちゃして見えますが、実際のところ3つのものしかハンダで接続していないのでそんなに複雑ではありませんね。

Holybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerに限らずHolybroのFCは基本的にそうなのですが、基板上側横の列、左の方にあるG、5V、VIの並びがFPVカメラ関連の配線が来たらシンプルになるレイアウトになっています。

一方、基板左側縦の列の上の方にあるVOの隣はB+となっており、こちらはバッテリーと同じ電圧で給電されるパッドです。今回使用しているRunCam Swift Mini 2 Mr. Steele Editionは36vまでの給電が可能ですが、VTXのTBS UNIFY PRO 5G8 V3は5Vにしか対応しておりませんので、VTXを基板上側横の列、左の方にある5Vと接続し、FPVカメラを基板左側縦の列の上の方にあるB+と接続しています。

VIとVOに対してその機器の電源とGNDが交差する接続になっているのでちょっと複雑に見えますが、繋いでみるとそんなに理解に苦しむところはないのではないかと思います。

ちなみに、Smart Audioは今回T1に接続しましたが、Betaflightの方で設定すれば他のTXに接続しても問題ありません。VOと近い方が2本のワイヤーを捻る時に作業しやすく、何かのタイミングで引っ張られても力が分散されるだろうという理由でT1に接続しています。

Holybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerはハンダパッドに穴が空いていて、ピンなどを立てて使用することもできるデザインになっているのですが、直接ワイヤーをハンダする場合は、被覆をむいたワイヤーをねじって穴に通し、ハンダで埋めるようにするとうまくいきます。

その方法で裏側に飛び出したワイヤーが長いとESCに触れて通電してしまう恐れがありますので、必ずカットしておきましょう。

接続が済んだらFCを固定したいと思います。FCの上にラバードーナツを取り付けてから、フレームキットに付属するナイロンのM3ナットで固定します。

今回使用しているHolybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerはジャイロセンサーがフォームの上に搭載されているため、性能としてはソフトマウントしなくても問題ないのですが、クラッシュ時に基板を痛めないために、基板自体もソフトマウントにしています。

ナイロンナットは工具を使用するとかなり奥まで回し続ける事ができるのですが、上記写真くらいの位置で止めておきましょう。

ESC側のシリコーングロメットがナットの締め付けに押しつぶされて、FCとESCが接触してしまっていると、通電した際に壊れてしまう可能性が高いです。横からみてFCとESCが完全に離れている事を確認します。

これで一通りの組み立ては完了ですね。
続いて、次回からは設定について触れていきたいと思います。

Armattan

JACK によるブログ

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