5インチFPV機のモーター清掃
最近はフライトから帰ると大体毎回、ひどい時にはフライト中も結構モーター清掃作業を行っています。
飛ばす場所にもよるのですが、FPVフリースタイルやレースなどに取り組んでいる方は、日常的に行っていると思われるモーター清掃。
しかし、最近5インチなどのクラスにトライし始めた方は、意外と勝手がわからないかも知れません。
自分も5インチを始めたての頃は、購入してまだ日が浅いモーターのベルを外すのに、少し抵抗がありました。
こう言った地味な作業の情報は、当時意外と少なかったように思います。
DJI機もしくは開発機は、墜落しない想定で作られている為、モーターのメンテナンスと言っても、取り付け部分のネジを増し締めしたり、外側からエアーで吹いたり、汚れを拭き取ったりするくらいですよね。
今回は使用しているモーターの紹介と、清掃の簡単な作業の手順、さらにおすすめツールも紹介したいと思います。
今回使用しているモーター
まず、最近愛用しているのがT-Motor F60Pro IV V2.0 (1750KV)です。
上記の写真は新品時のものですね。
実はF60はT-motorの中で最も人気のモーターであると言われており、有名過ぎて「個性が光る」というタイプのモーターではないかも知れないですが、総合的に見て素晴らしい完成度のモーターだと思っています。
2306サイズのモーターと比較すると、やや重量のあるモーターかなと思うのですが、非常に耐久性があり、度重なるクラッシュでも、なかなか壊れない印象です。
強度やメンテナンスのしやすさだけでなく、アイドル状態からスロットルを入れ始めるタイミングでスムーズに力を発揮してくれる感じが、特に気に入っています。
自分は1750KVを使用していますが、一気に跳ね上げるパワーが欲しいなら1950KVの方がオススメ。
自分の場合1950KVだと機敏過ぎて制御がちょっと大変なのと、今メインで使っている機体とバッテリーの組み合わせでは、2分ちょっとしか飛行できない(機体の離陸重量と飛ばし方にもよると思います)ので、バランスのよい1750KVを使用しています。
パッケージ内容ですが、T-Motorは予備のワッシャー類が2セット、ベルを固定するネジの予備が1つ、フレームに取り付ける為のネジが2種類それぞれ4つ、あとはステッカーが付属します。
フレームにモーターを取り付ける為のネジは、12mmくらいのものと、10.5mmくらいの2種類が付属しています。
長い12mmくらいのネジはAPEXのような5.5mm厚のアーム(プラスチックパーツを使用しない場合)に最適で、短い10.5mmくらいのネジは4mm厚のアームに最適です。
このネジ、ヘッドが2.5mm (hex)になっており、ヘッドが2mmのものよりわずかに重いとは思うのですが、ヘッドが潰れたり、ネジをナメににくく、耐久性があります。
全体として重くなりがちな6S機では、岩などにアームの底を擦ると簡単にネジのヘッドが潰れてしまうので、この耐久性が結構ありがたいなと思っています。
モーター本体側の、それらのネジを受ける周辺も充分に肉厚になっていて、ねじ山もナメにくくしっかり固定できます。
この辺りは最近のT-motorの2207、2306クラスのモーターに共通して見られる特徴です。
ベルを外すと軸に金属ワッシャーとゴムワッシャーが入っています。
パッケージ内容には2つずつ予備が入っていますが、清掃時、特にベルを外す時に無くさないように気をつけましょう。
ちなみに、F60のベルを固定している底面のネジはヘッドが2mm (hex)になっていて、1.5mm (hex)のモーターと比較すると、これもネジの頭をナメにくく、特に頻繁に外す人にはストレスが少ないのではないかと思います。
軽さをとるか、耐久性をとるか、と言ったところでしょうか。
ネジの話ばかりしていても進まないので、先に進みましょう。
いよいよ清掃です
とりあえずベルを外します。
モーターの底の部分のネジを外して、ベルを引き抜けば良いのですが、特にまだ新しいモーターの場合、マグネットの力で、なかなかベルが外れないかも知れません。
その場合、プロペラをつけっぱなしにして、プロペラをつかんで引っ張ると少し力が入りやすく、楽に外せる可能性があります。
ペンチなどの工具で引っ張る場合、モーター本体や、特にコイル部分を傷つけないように気をつけましょう。
また、斜めに引っ張ると軸やベアリングを傷つけてしまう恐れがありますので、必ず垂直に引き抜くようにします。
上記写真のように砂が入り込んでいると、その抵抗でモーターが回らなくなったり、内部の砂がマグネット部分を傷つけてしまうので、清掃が必要です。
エアーコンプレッサーをお持ちの方は、いきなりエアーを吹くだけでほとんど綺麗になると思います。
自分はエアーコンプレッサーを持っていないので、まずブラシで砂をかき出します。
普段は歯ブラシや、100均で購入した特殊な形状のブラシを使用しています。
これで大きな砂粒は除去でき、ガリガリ言うけど、とりあえず回るくらいには清掃できるはずです。
これだけでも、やらないよりはずっと良いので、クラッシュのあとモーターが回らないくらいに抵抗がある場合は、無理に回そうとせずに一度ベルを外して、軸曲がりの確認と合わせて、さっとブラッシングすると良いと思います。
ブロアーは大きなものの方が勢いのある風で砂を飛ばしやすく、使いやすいと思います。
粗悪品だと思い切り握り込んだ拍子に先端のノズルが飛んでしまったりするので、HAKUBAさんなどの信頼できるカメラ用品メーカーのものを購入するのが良いかと思います。
しかし個人的な一番のおすすめは、上記写真のように、仕上げとして練りゴムを使用して細かい砂を除去する方法です。
先程の写真で使用しているのは、恐らく一番一般的な、ホルベインというメーカーの練りゴムですね。
これはぺたぺたするだけで、複雑なベル内部の形状に練りゴムが入り込んで、砂を除去できるという優れもの。
基本的には鉛筆だったり木炭デッサンで使用するものなので、画材屋さんでももちろん入手できますが、Amazonで売っているので、ネットで購入するのが楽かなと思います。
先程からバシバシリンクが貼られている点にお気づきになった方も多いのではないかと思いますが、この度、このブログでは当店で買えない幅広いアイテムも紹介できるようにAmazonアソシエイトに挑戦してみることにしました。
まだ審査中とのことで、継続して続けられるかはよくわからない事と、ご存知の通り、練りゴムをいくら売っても紹介料で得られるものはほとんどないのですが、もし購入する場合は是非上記リンクから購入いただけたらと思います。
こういう細かいものがFPVを続ける上で非常に役に立ちますので、機会があればどんどん紹介して行きたいですね。
ちなみに、試してはいないですが、文房具屋さんに売っているコーラなどの香りがついた「練り消し」などでも、同じように使えるのではないかと思います。
たまにマグネットに練りゴムの破片が残る事がありますが、この場合はさらにぺたぺたして、それらも含めて綺麗に除去します。
実はこの練りゴムを使用する清掃方法は、河原で飛ばしていて、砂鉄と格闘していた時に考えたものです。
なかなかエアーだけでは綺麗に除去できない砂鉄でも、練りゴムなら綺麗に除去できるというわけです。
さらに、細かくちぎって携帯でき(もちろん、ベタベタするので何かしらの袋には入れておく方が良いです)工具ケースに忍ばせておけるので、屋外でも手軽にモーター清掃が可能です。
モーターを組み立てて完成
清掃が終わったら、ベルを取り付け直し、忘れずに底のネジを締めて完成です。
組み立てる際に、あらかじめ付いていた金属ワッシャーやゴムワッシャーを忘れずに取り付けましょう。
これでまた、そのモーター本来の回転が楽しめますね!