さて、前回基本的な設定は終えたので、とりあえず飛ばして様子を見る事にしました。
飛ばした感じ、バウンスバックもよく抑えられていて、そんなに極端な問題は感じられなかったので、そのまま使うのもありかなと思いました。
しかし、今回は引き続き、ちょっと突っ込んだ設定を出して行きたいと思いますので、まだ少しシリーズは続きます。
ここまでの設定は下記の前回記事をご参考ください。
Armattan Badger 5" Kit (バンドル) <4> Betaflight基本設定
ちなみに、今回のシリーズではETHIX S3 WATERMELON PROPS 5X3.1X3を使用して設定を出しました。
今回せっかくログファイルをマイクロSDに記録できるHolybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerを使用しているので、多少ログファイルを活用していきたいなと思います。
microSDが入っていないとHolybro Kakute F7 V1.5はログが取れませんので、忘れずに用意しましょう。ちょっと写真では分かりづらいですが親指の少し上あたりにmicroSDのスロットがあります。
その上の部分の白い塊が気になった方も多いのではないかと思うので、少し説明すると、自分は最近ワイヤーのコネクター部分をホットボンドで固めるようにしています。コネクターはメンテナンス時などに引っ張られる事があり、長く使っていると接触不良を起こす事があるので、その対策として最近はじめました。
一度この方法で覆ってしまうとコネクターを外す時が非常に大変なので、今のところ、そんなにオススメはしません。
設定の参考にする為にBlackboxのログデータを活用する上で、Blackboxの設定も少しあります。
Blackboxタブ内の上記緑の四角で示した部分ですが、一番上のBlackbox logging deviceはどこにログデータを保存するか選ぶプルダウンメニューです。今回のHolybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerの場合はSD Cardとなります。2番目のBlackbox logging rateはどのくらいのサンプルレートでログを残すかの設定。
Betaflight Blackbox Exploreで参照する分には1kHzあれば充分のようですが、PIDtoolboxというアプリも活用する場合は2kHzでのサンプリングが推奨されています。
当然サンプリングレートが大きい程きめ細かなデータが記録できます。しかし2kHzでログを記録すると、多くのフライトコントローラーに搭載されている16MBの記録領域はすぐに一杯になってしまうので、16MBの記録領域をもつFCでBetaflight Blackbox Exploreを使用して解析する場合は1kHzの方が良いかも知れません。
Holybro Kakute F7 V1.5 Flight Controllerはログの記録領域がマイクロSDなので、今時のものでしたら少なくても4GBや8GBと大容量の記録が可能。自分は手持ちがないので16GBと無駄に容量の大きいものを使用しています。結構フライトによって作成されるログデータの容量にはバラつきがあるようなのですが、2kHzで記録した場合大きくても1フライト10MB前後の容量のログデータになる感じです。
フライトコントローラーに搭載されるタイプの16MBでは2kHzで記録すると少々心許ないものの、数GBのmicroSDであれば思う存分ログが取れますし、PCへの転送もmicroSDをPCにカードリーダーなどで読ませればmicroSDそのものの転送速度ですぐにコピーできます。
ログをSDに残すタイプのデメリットとしては、激しいクラッシュでSDカードが飛び出してしまう事がたまにある事くらいでしょうか。ログを取る必要のないときはSDカードを抜いておいた方がいいかなと思います。
さて、問題のログ解析アプリですが、今回は下記のURLからダウンロードできるBetaflight Blackbox Exploreを使用したと思います。
Blackbox Log Viewer 3.5.0
https://github.com/betaflight/blackbox-log-viewer/releases
緑の四角で示したところから、ご自身のPC環境に適したものをダウンロードしましょう。
アプリケーションの名前はBetaflight Blackbox Exploreのようなのですが、ページの表題はBlackbox Log Viewerとなっていますね。なぜかちょっとわからないですが。
アプリケーションを開くと上記のような表示が現れます。あまり詳しくないので詳しい使用方法はお調べ頂きたいのですが、一応最低限の使い方だけご紹介します。
まず、何はともあれログデータを開く必要があります。上記緑の四角で示したボタンを押してファイルを選択します。
今回の場合、飛行した時のログファイルは.BFLの拡張子のファイルとしてmicroSDに保存されていますので、分かりやすい様にリネームしたりフォルダに整理したりしましょう。
緑の線で囲った部分はスイッチになっていて、そのログの時の機体の設定を参照したり、ログデータをグラフでなく数値で表示したり、機体のアニメーションの表示/非表示、スティックアニメーションの表示/非表示、ノイズのアナライザー表示/非表示などを切り替える事ができます。
赤い線で囲った部分は別のログファイルを開いたり、ビデオファイルを開いたりするボタンです。ログファイル1つ、ビデオファイル1つを同時に開く事ができ、そのフライトで撮影した映像を見ながらグラフをみる事もできます。ビデオを読み込むと画面上部中央付近にLog syncという区画が現れ、ログと映像のズレを修正して使用します。
青い円で示した歯車アイコンはBetaflight Blackbox Explore画面の表示設定で、スティックアニメーションをmode2からmode1に切り替えたり、その大きさや位置なども調整できます。
最近更新できていませんが、下記のFPVフリースタイルHow toシリーズのスティックアニメーションは上記の設定を使って、Betaflight Blackbox Exploreで出力したものです。
自分はやったことがありませんが、SNSでBlackboxのログデータを詳しい人に共有することでトラブルの原因を教えてもらったり、シンプルなフライトビデオにスティックアニメーションを追加して共有したり、アイディア次第で色々な使い方ができそうですね。
基本的な使い方としては緑の円で示したボタンからみたいグラフを表示させ、それをよく見てあーじゃないこーじゃないと考える、という使い方。試しにみてみましょう。
先程のGraph setupボタンを押すと、上記の様な画面が表示されます。まず緑の四角で示したRemove all graphsやRemove graphボタンで必要のないグラフを消してしまいましょう。
次に赤い四角で示したAdd graphで見たいグラフを追加します。今回事情があり、RC Command[roll]とSetpoint[roll]を選択しました。RC Command[roll]はロール軸について受信機から入力された情報、Setpoint[roll]はロール軸についてRC Commandを受けて、機体がその瞬間に目指す姿勢というイメージでとらえると分かりやすいかも知れません。実際のその瞬間の機体の姿勢はGyroのグラフを表示する事で確認すできます。
Smooth Expo Zoomなど数値の設定やグラフの色などの設定があり、グラフの滑らかさや縮尺など表示上見やすく変更することができます。最後にオレンジの円で示したSave changesで確定するとグラフが画面に反映されます。
さて、グラフが表示されました。見てみると、RC Commandがジャギジャギ。。
前回までの設定でテストフライトを行い、飛行自体は普通に出来て、フリップ後のバウンスバックなどもそんなになく、そこまで極端な問題は感じなかったので、そのままログデータでノイズを確認しながらフィルターを減らして行こうと思ったのですが、Setpointのグラフが妙にジャギジャギしているなと。
Youtubeで他の人のグラフも見ていたのですが、表示設定とかそういうレベルの問題ではなく、他の人は結構滑らかだったので、これはもしかしたら問題があるのかなと思いました。
下記のBetaflight 4.2 Tuning NotesでRC smoothingを読むと、そこまで詳しい解説はなくデフォルトでうまく機能する事がなんとなく強調されている印象。
https://github.com/betaflight/betaflight/wiki/4.2-Tuning-Notes
今回Armattan Badger 5" Kit (バンドル)をリリースするにあたり、いくつかのプロペラで設定を出すところまで試したりしていたのですが、PIDの数値が高くなってくると連続フリップ後や少し長く前進した後の急激なフリップ後などに気になるバウンスバックが出やすかったり等、すっきりしない、ちょっとした疑問などを抱えていました。
その時々で設定上の逃げ道はあったのですが、もしかしたらRC Commandがジャギジャギ問題は結構引き金になっていたかも知れないと考え、RC smoothingを見直すと随分設定も楽になったような感じがあります。
使用しているプロポと受信機によって大きく状況が変わってくる部分だとは思うのですが、少し勉強してPIDの設定も基本的な部分は理解しているハズなのに、Betaflightが思い通りにならない、と感じている方は一度確認してみるといいかも知れません。
自分の場合RC smoothingと、Iの数値(PIDの数値だけでなくI Term Relaxも含めて)に注意する事で結構扱いやすくなりました。
RC smoothingに関して、どこを変更したかというと緑の円で示した部分です。結果的にInput Cutoff Frequencyを35に設定する形に落ち着きました。
上記がデフォルトであるInput Cutoff Frequency=Autoのままのグラフです。
Input Cutoff Frequency=Autoの設定で上記緑の円で示したような変なノイズが稀に確認でき、こういう時に変な挙動になるのではないかと考えました。
上記がInput Cutoff Frequency=1のグラフ。どうやら数値が低い程滑らかになる様です。
ただ、この設定ではほとんど制御が出来ないほどの遅延を感じました。
上記がInput Cutoff Frequency=16のグラフ。滑らかさで言えば良いのかなという印象でしたが、飛ばした感じ、ちょっともさっとした感触でした。
上記がInput Cutoff Frequency=35のグラフ。どんどん上げて行き、40で試していたらデフォルトに近い感じの納得行かない動作を感じる事があったので、少し下げて35に設定しました。
個人的にはフライト全体を通して安定感があるなと思ったので、これで良いかなと思うのですが、グラフをパッと見た感じではそれなりにジャギジャギはしていますね。
今回はInput Cutoff Frequencyの設定を変更したら、個人的な実感として少し良くなった気がする、という話でした。RC smoothingにはまだ項目も沢山あるので本来じっくり検証する必要がある(特にTBS CROSSFIREは周波数が可変らしく、もし使用している場合はAutoにしましょうとBetaflight画面上でインフォメーションが表示されていました)ので、この記事は参考程度に思っていただき、気になる方はご自身のログファイルをご確認頂けたらと思います。
将来的にもう少し詳しくわかったら追記、もしくは新しい記事で取り上げたいと思っていますが、ここはプロポと受信機によるのであまり深追いせずに次回は話を進めます。
とにかく、ログデータを活用する事で、調べても明確な情報が見つけられず、数値を変えてもぼんやりとしか感じられない設定項目の変化を見える化できるというわけですね。
自分もそんなに詳しくないですが、設定して、飛ばして、ログを見て、という繰り返しで「もしかして」と、気づく事も増えると思うので是非活用してみましょう。今回はここまで。