【iNavFlight入門②】iNavFlightの設定<1>

iNavFlightの設定Setup〜Ports

iNavFlightの設定なのですが、項目も多いので【iNavFlight入門②】ではSetup、Calibration、Mixer、Outputs、Presets、Portsの6つのタブを見ていきましょう。

今回は簡単にざっと設定タブの紹介に留めたいと思いますが、せっかくなので、設定でつまずいた部分は解決方法も含めて紹介します。

このiNavFlightのゴールは本当に人それぞれになりそうですね。

資料とツール

まず、コンフィギュレーター(設定アプリ)をお使いのPCにインストールするところから作業は始まります。
INAVconfiguratorは下記のURLからダウンロードしました。

iNavFlight/inav-configurator
https://github.com/iNavFlight/inav-configurator/releases

INAVはWINでもMACでも利用できます。

Betaflightでも同じなのですが、特にWinではドライバーの問題でPCがFCを認識しないトラブルが起こりやすいです。
下記の記事でトラブルを解消できる可能性の高いツールを紹介しているので、どうしても接続できない方は是非ご参考ください。

2020 Betaflight 4.2.5 設定<1> configuraterのインストール
https://dayscape.theshop.jp/blog/2020/12/10/212750

下記のURLはマルチローターガイドで大まかな作業の流れが、非常にざっくり紹介されています。
一度目を通してお
くと全体像が把握しやすいかも知れません。

Multirotor
https://github.com/iNavFlight/inav/wiki/Multirotor-guide

ファームウェアのフラッシュ

ファームウェアのフラッシュ

ファームウェアのフラッシュとはわかりやすく言えばフライトコントローラー基板に機体を制御するソフトウェアをインストールするという感じの作業です。

cleanflight系列のファームでは、フラッシュの方法がほぼ共通なので、作業方法は先ほどリンクを貼った【2020 Betaflight 4.2.5 設定<1> configuraterのインストール】をご参考ください。

今回使用している基板はHolybro Kakute F7 mini Flight Controllerなので、ボードセレクトのところはKAKUTEF7MINIを選択しました。

Setupタブ

Setup

見ての通り、インターフェースはBetaFlightにかなり近いです。
その為、
BetaFlightユーザーはあまり抵抗なく使用できると思います。

まずはSetup タブを見ていきましょう。

ここでは機体の状況が一覧になっていて、作業自体はほとんどないようです。
強いていうなら、ファームウェアを書き換えた直後にこのタブを表示し、機体を持ち上げてみて、グラフィックと機体の角度や向きが同期しているか確認しましょう。

もしファームウェアのフラッシュの時点でボードセレクトを間違っていたり、フライトコントローラー基板の取り付け方向や裏表が間違っていると、実際の機体の方向とグラフィックの方向が違って表示される場合があります。

この時点で間違ってしまうと、せっかく設定しても飛べませんので、念の為確認しておくとよいかと思います。

左上にあるReset Settingsボタンは設定が全てリセットされてしまうボタンのようです。
混乱しても気軽に押さないようにしましょう。

画面上部にあるセンサーのアイコンなのですが、バッテリーを繋がないと起動しないセンサーもあるので、USBをFCに接続しただけではエラー表示になっているものもあります。

Calibrationタブ

Calibration

このタブではセンサーの校正作業を行う事ができます。

Accelerometer Calibration

Armattan Bobcat

 

Accelerometer Calibrationはイラスト通りの姿勢に機体を固定し、どんどんCalibrate Accelerometerボタンを押して行きます。

Compass Calibration

Compass Calibrationはもろもろ設定をしないと正しく認識されないので、準備が整ってから実行しました。
今回のセッティングではバッテリーを繋がないとGPSとCompassのセンサーに給電されないため、USBを接続するだけではキャリブレーションできません。

机の上にはコンパスに悪影響を与えるものが沢山あると思います。

さらに、コンパスのキャリブレーションは機体をXYZそれぞれの方向に360度回転させるので、USBケーブルを繋いだままだとケーブルが捩れ、コネクターに負荷がかかるというのもよくないです。
無理にケーブルを引っ張ると、接触不良やコネクターごと基板から外れてしまうというトラブルにつながります。

個人的には、屋外でスティックファンクションを使用してキャリブレーションするのが、一番楽で良いのではないかと思います。

スティックファンクションとは

INAVではプロポのスティックを決められた位置に保持する事で、設定を変更したり機能を呼び出すことができます。

DJIでハの字だったり逆ハの字にスティックを保持するとアームするのが最も有名なスティックファンクション(orスティックコマンドとも呼びますね)かと思いますが、INAVでも似たように利用できるわけですね。

INAVのスティックファンクションは下記のURLに詳しく記載されています。

Controls
https://github.com/iNavFlight/inav/blob/master/docs/Controls.md

上記リンクのイラストはモード2の表記なので、モード1の方は読み替えて使用する必要があります。

INAVのスティックファンクションでは様々な機能が提供されますが、これ、BetaFlightなどスポーツフライト系のファームのユーザーにはなかなか馴染めないものかと思います。

また、コマンドもINAV独自のもので、DJIやArdupilotなどとも全然違うので、逆に別のドローンで慣れている人ほど混乱するかも知れません。
必ず確認しておきましょう。

トリムが厄介で、モード1だと右手だけで実行されてしまいます。知らぬ間に実行していると機体が空中で傾いてしまうので要注意です。

スティックファンクションで設定を変更したあとは必ずSave Settingで保存しないと変更が消えてしまうので、利用する場合はそこもご注意ください。

Mixerタブ

Mixer

機体の姿勢制御の為に、どのモーターに回転の指示を出力するか、というような設定をここで行います。

BetaFlightとの大きな違い

BetaFlightとは違い、INAVはマルチコプターに限定されないさまざまな形の機体を制御できるので、ここには設定の幅があって然るべきですね。
BetaflightではConfigurationタブに似た機体のイラストが登場しますが、機体の形やモーターの数、回転方向を選択するくらいで比較すると非常にシンプルなものです。

今回はMixer presetでQuad Xを選択しLoad and applyで特に問題なく設定できました。
違いはするものの、一般的な形の機体であればそう難しいものではありません。

実はINAVの2.6.Xの時代にも試した事があり、その時は確かMotor Mixerの1と-1を組み替えてはモーターを回してモーターの位置を確認するという手順を繰り返して、設定していく方法だったと記憶しているのですが、INAV3.0.Xになって簡単になったようです。

モーターの回転方向の設定はBLHeliSuiteで

もちろん、モーターの回転方向やESCの設定は事前にBLHeliSuite32で設定しています。

今回BLheli_32ファームウェアのESCを使用していますので、設定方法などは、先ほどリンクを貼った、【2020 Betaflight 4.2.5 設定<1> configuraterのインストール】に記載されていますのでご参考ください。

BLheli_SのESCをお使いの場合はconfiguratorがBLheli_32とは異なりますので、内容が古いですが下記の記事をご参考いただけたらと思います。

BetaFlightセットアップ<10>BLHELI CONFIGURATOR
https://dayscape.theshop.jp/blog/2019/06/21/233321

Outputsタブ

Outputs

Outputsタブにはモーターやサーボとの通信を設定する項目が並んでいます。

今回ここではESC protocolやNumber of motor polesを設定しましたが、そんなに設定する項目は多くないと思います。

今回はサーボは使用していないのでESC protocolとNumber of motor polesだけ入力し、他はデフォルトのままかと思います。

Enable motor and servo output

一番上のEnable motor and servo outputを有効にしないとモーターが回らないので、どうしてもモーターが回らなかったらまずここを確認してみてください。

以前に試したときは、このスイッチの存在に気づかずモーターを回すのにしばらく悩みました。

ESC protocol

ESC protocolはESCとFCが通信するプロトコルを選択するのですが、ESCの対応状況をマニュアルなどで確認して選択します。
もしRPMフィルターを使用する場合はDshot600までが実績として信頼できるかなと思いますが、最近はESCによってそれ以上の数値も使用できるようです。

今回はとりあえず長く使っていたDshot600に設定しました。そのままテストしましたが、これで特に問題なさそうです。

Number of motor poles

motor poles

Number of motor polesはモーターのマグネットの数を数えて入力してあげれば大丈夫です。

マグネットを数えながらモーターを回しているうちにどこから数え始めたかわからなくなってしまうので、マスキングテープなどを貼って目標にすると数えやすいです。

一般的な5インチ機で使用する2306や、2207サイズのモーターは大体14で、デフォルトもこの数値になっていますが、サイズやメーカーによってマグネットの数は変わりますので一応確認して入力すると良いのではないかと思います。

Motors

バッテリーに接続し、設定が正しければ、Motorsの操作でモーターを回す事ができ、回転方向の確認などに役立ちます。

モーターを回す時は危険なので必ずプロペラを外しましょう。

Presetsタブ

Presets

Presetsでは機体サイズや形に応じたプリセットがいくつか選択できます。

DIYドローンで使用頻度の高いフレームサイズがプリセットとして選べますので、設定のスタートとしてはリスクが低く、非常に便利です。

今回はGeneric3”Quadcopterを選択してテストフライトしました。

追い込んだフライトでPID数値の検証はまだやっていないのですが、機体に対して小さいモーターでクルージングするにはほとんど問題を感じませんでした。

クセのある形の機体であるとか、アンバランスなモーターサイズで構成している、もしくは機敏なアクロフライトに対応する必要がある等の場合でなければ、プリセットで近いものを選択したままのデフォルトの数値でほとんど問題ないかも知れません。

Ports タブ

Ports

Ports タブは、配線でFCにいくつかの外部機器を接続しましたが、どこに何を繋いだか設定するタブです。

今回はPortsタブで苦労しました。

GPSを認識しない

どうしてもGPSを認識せず、それによりHardware healthが良好にならず。
はじめはブザーをつけていたのですが、バッテリーを接続するとブザーが鳴り続け非常にうるさいので、とりあえずブザーを外してしまい、原因を探りました。

GPS衛生を受信していない事が原因かと思い屋外でテストしてもGPSを認識せず、これはGPSを受けていないのではなくセンサー自体を認識していないと判断。

最終的に、当初T2,R2に接続していたGPSを隣のT4、R4に変更するとGPSを認識するようになりました。

どうしてもセンサーを認識しない場合は、センサーの配線ミスで基板が壊れていないか確認するのと合わせて、Portsを変更してみると良いかもしれません。

続きは次回をお楽しみに

INAVはタブが多いので、まだまだ設定が続きますが【iNavFlight入門②】はここまでにします。

次回【iNavFlight入門③】ではConfiguration、Failsafe、PID tuningの3つのタブを紹介したいと思います。

ArmattanInavflight

JACK によるブログ

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